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アイルランドのカトリック教会運営の学校、児童施設で1930年代から聖職者である職員による性的・身体的・心理的虐待が常習化していた件について、9年にわたる調査の報告書。虐待行為があったと特定された人物は800人にも上る。さらにアイルランド政府が虐待行為を把握していながら、カトリック教会との間で隠蔽工作を行っていたことも明らかに。
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/ireland/article6328015.ece?&EMC-Bltn=KQYAPA
http://www.guardian.co.uk/world/2009/may/20/child-abuse-catholic-schools-ireland
http://www.nytimes.com/2009/05/21/world/europe/21ireland.html?_r=1&th&emc=th

インドネシアでオランウータンの雌が死んだばかりの我が子を食べるという、これまでに見られなかった行動に出た。1ヶ月はさんで2例、観察。ストレスの大きい環境の影響か、と。(こういう話を聞くと、ウィル・スミスの映画「アイ・アム・レジェンド」を思い出す。環境ホルモンや薬の安易な利用など科学とテクノロジーのおかげで、実は人間を含めて生き物がどんどん凶暴になっていっている……なんてことは?)
http://news.bbc.co.uk/earth/hi/earth_news/newsid_8058000/8058365.stm

IVFで生まれた双子は自然に生まれた双子よりも小さいうちの健康度が低い。ちょっとびっくりするのは、生殖補助医療で生まれる子どもの4分の1が凍結胚からだ、と。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8057210.stm

ダウン症の人が癌になりにくいことは知られているが、そのメカニズムは染色体が多いことによって癌細胞の成長が抑制されるため。癌予防の研究に役立つかも、と。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8055342.stm
2009.05.21 / Top↑
Daniel Hauser君はミネソタ州在住の13歳。
ホジキンリンパ腫という癌を患っている。
一度、抗がん剤治療を受けて癌が縮小したと思っていたが、
また大きくなっていることが判明。

医師は抗がん剤と放射線で治療できると説いたが、本人はもうイヤだと拒否。

母親Colleenさんも 
Nemenhah Band と呼ばれるアメリカ・インディアンの宗教グループの自然療法を信じており、
サプリやイオン水などで治療している、体に毒物を入れるのは宗教信条に反する、と抵抗。

そこで、病院が州に介入を求め、
裁判所はDaniel君に抗がん剤治療を命じた。

裁判所の命令では月曜日に病院にいくはずだったが、
母親は息子とともに逃亡。現在、警察が追っている。

裁判所はDaniel君を施設に入れて(つまり親から親権を剥奪し)
癌の専門医の診断を仰ぎ、今後の治療方針を決めよ、と命じている。

ちなみに、事件の展開に直接関係があるとも思えないけれど、
Daniel君には学習障害があり文字が読めない。

祈りで治そうとして糖尿病の娘を死なせた親の事件
火曜日にインタビューに出てきていたWisconsin大学の宗教学者 Peters教授がここでも登場し、
「こういう事件が厄介なのは
みんなが子どもの最善の利益を考えて動いている、という点」と。

以下のWashington Timesの記事によると
2003年にユタ州の Darren and Barbara Jensen夫婦が
抗がん剤治療の命令を拒否してIdahoまで逃げた例があるとのこと。

夫婦は有罪を認めたが、収監されることも罰金を科せられることもなかった。
Jensen夫妻はこうした問題での親の決定権規定を求めるアドボケイトとなっている。

Chemo case raises parental rights issue
The Washington Times, May 21, 2009



2006年には同じくホジキンリンパ腫の15歳の少年 Starchild Abraham Cherrixの
抗がん剤治療を続けず代替治療に切り替えたいとの主張を裁判所が認めて
和解に持ち込まれた画期的なケースがありました。

当時、リアルタイムでニュースを追いかけましたが、
堂々と自分の言葉で主張を述べるCherrix君の姿が印象的で
とても興味深い事件でした。

Cherrix君のケースについてまとめた当ブログのエントリーはこちら

乳児の腰椎穿刺をめぐっては
2002年にアイダホでMueller事件

腎臓透析を拒んで親権を剥奪された母親が我が子を病院から誘拐した
2006年シアトル子ども病院でのRiley Rogers事件

シアトル子ども病院生命倫理カンファでも米国小児科倫理の大物Dr. Lainie Rossが
「小児科における治療拒否」という興味深い講演を行っており、
Mueller事件における医師の行動を過剰だと批判しています。
内容はこちら

同じカンファでDr. Diekemaも小児科医療で意見が対立した場合の
子どもの最善の利益をめぐって講演しています。
これもまた、いろいろな意味で興味深い内容。
詳細はこちら
2009.05.21 / Top↑
男はLas Vegas出身で33歳の Jeff George Ostfeld。
Ostfeldは5月15日にメキシコで動物用の鎮静剤を購入する目的で
隠蔽用の容器まで持参してVegasから Texas州McAllenに飛んだ。

国境の橋で身柄を拘束された時には
バルビタール1000ミリとペントバルビタール200ミリを所持。
裁判所記録には「不特定の人の自殺を幇助する目的で購入」と記載されている。

Ostfeldが後にしたホテルからは
Oregon州の女性Jennifer Maloneさんの遺体が発見された。

ホテルの部屋からはウツ病に関する本のほか、
空になった抗不安薬の処方ボトルが見つかった。



確定的なことは書かれていませんが、

自殺を希望するウツ病の女性が
Oregon州の尊厳死法では医師による合法的幇助を受けられないため、
Texas州にやってきて、違法な助けを受けて自殺した、と考えられそうな事件。

獣医用の鎮静剤がメキシコから入って違法な自殺幇助に使われているという報道は
以前から、よく目にしていましたが、

2月以降問題となっているFENの違法な自殺幇助のネットワークなどと
このOstfeldという男性が繋がっているのかどうか、気になります。

いずれにしても、
自殺幇助合法化で議論されている
「ターミナルな病状で耐え難い苦痛がある」人という対象条件から外れた人の
自殺幇助が闇で行われている、ということではないでしょうか。

そこに蠢いているのは
「本人にとって主観的に耐え難い状況があり、
自己選択として死を望むのであれば手伝いますよ」という人たちであり、
「客観的な状況は問わず、死の権利は自己決定権」という文化。

「障害を負ってまで生きるくらいなら死んだほうがマシ」という嘆きに対して
過剰に共感的な──。


【8月5日続報】
公判でinsanity(精神状態による責任能力のなさ)を主張する予定だとか。
http://www.chron.com/disp/story.mpl/ap/tx/6559982.html


2009.05.21 / Top↑