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早稲田大学の岡部耕典氏による、カリフォルニア州の知的障害者の自立支援、調査報告。Supported Living Servicesについてなど。:CA州は財政破綻で教育と福祉の予算を切っていると聞くけど、影響どうなんだろう。
http://www.eft.gr.jp/supported-living/091011okabe-sub.pdf

ロシアの障害児・者の惨状。障害児は教育を受けられないまま。バリアフリーなどないため、何年も家から出たことがない障害者。障害者へのヘイト・クライムは多発して、家の前で殴る蹴るの乱暴を受けた障害者は「ソビエト時代より酷い。この社会は障害者に宣戦布告でもしたみたいだ」と。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/8302633.stm

かの権威あるメイヨー・クリニックに、メディケア、メディケイドの患者受け入れを制限している、との批判。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/10/12/AR2009101202803.html

まれなケースだけど、母親から胎児に癌が移ることも?
http://www.guardian.co.uk/science/2009/oct/12/cancer-passed-from-mother-foetus

イラクで一番死傷しているのはハケン・契約兵士。イラクとアフガニスタンの米軍の半分は民間の契約兵士で、正規の兵士3人に対して民間の契約兵が1人死んでいる計算になるのだけれど、国防省に無視されている。
http://www.propublica.org/feature/kbr-contractor-struggles-after-iraq-injuries-1006
http://www.propublica.org/feature/civilian-contractor-toll-in-iraq-and-afghanistan-ignored-by-pentagon-1009
2009.10.13 / Top↑
Matthew Millington さん31歳はイラクからの帰還兵。

不治の呼吸器疾患があったため2007年4月に両肺の移植を受けたのだけれど、
そのドナーは一日に30~50本もタバコを吸うヘビー・スモーカーだったため、
6ヶ月後に肺がんになってしまった。

通常なら、移植臓器に不具合が生じた場合には
NHSで再度の移植を受けることが出来るのだけれど、

がん患者には臓器移植は行わないというルールに引っかかって
次の移植は受けられなかったばかりか、
移植後に飲んでいた拒絶反応を抑制する薬によって
がん細胞の増殖が加速されてしまった。

去年2月に死亡。

移植を手がけたPapworth病院は心臓と肺の移植を手がける英国の主要的センターで
調査の結果、このような事態を招いた背景にあったのは
放射線技師と担当医らのコミュニケーション不足、とされ、
検視官はMillington氏の死因を「臓器移植の合併症」と記録。

ドナー肺について病院側は
移植前にレントゲンで調べた際には異常はなかったし
移植に使う臓器は厳重にチェックしている、と。

Millington氏の父親は
「ミスがあったとしても、悪意からのものではないし
Papworthで移植に使われる肺の51%は喫煙ドナーのものだというのも事実。
そういう肺を使わなければ、もっと多くの人が移植できずに死ぬのだから」と述べ、
特に法的な措置をとる考えはない、と。

この記事で、私が大きなインパクトを感じたのは、
残された妻(記事に寄せられたコメントでは婚約者としているものも)の言葉で

「Matthewが望んでいたのは、
ただ、もう一度、別の肺(another set of lungs)が欲しいということだけだったのに。

『不良品(a dud pair)を使われたんだから、別の(another set)をくれよ』と言ってたわ。
克服できると考えていたのに、それから、あっという間に状態が悪くなってしまった」



このニュースには、
喫煙者の肺を移植に利用することそのものの安全性、
病気が潜んでいる可能性のある臓器を移植に使うこと一般の安全性、倫理性、
その場合の検査手順の厳格化や、病院の責任の範囲の明確化、レシピエントへの説明の問題、

移植が成功しなかった場合に再移植を受けられるルールの問題、
がんの原因が移植そのものであった場合に、そのルールが適用されるべきかという問題、

次の移植を受けられずに死んだ患者さんがイラクからの帰還兵だったことが
一般の患者の場合とは、また違った国民感情を引き起こしている可能性がありそうだ、
と、私は記事に寄せられたコメントを読んで感じる、その問題、

この国民感情が仮に制度化されるとしたら、Norman Fostの「無益な治療」論のように、
社会にとっての患者の有益・無益が治療の有益・無益に置き換えられていきそうな不気味さ……

……などなど、いろんな別問題があるのだろうと思うのだけど、

記事と、そこに寄せられた読者コメントを読めば読むほど、英国では
臓器というものは、いつでももらえて、何度でももらえて、それが当たり前のもののようで……


この記事を読んでいたら、
深刻な臓器不足という言葉が頭に浮かんで、だんだんと大きくなっていき、

another set、a dud pair と一緒になって、蛍光色のネオンサインみたいにチカチカし始めた。
2009.10.13 / Top↑
米国で豚インフルエンザ・ワクチンの接種が始まり、
医療の第一線にいる職種の人たちに対しては優先的・強制的に行われることになっているものの、
その医療現場の医師や看護師の間からワクチン拒否が起こっているらしい気配を
先日来のニュースでいくつか拾っていたのですが、

例えば、9月26日のWPで医療職がワクチンを拒否する理由として挙げられているのは以下。

・製造を急いだワクチンの安全性には疑問がある
・ワクチンの実験に使われたくない
・接種は個人の選択によるべきもの

Mandatory Flu Shots Hit Resistance
The WP, September 26, 2009


米国社会では、ワクチンに対する拒絶反応というのは
自閉症のワクチン犯人説(これは科学的には否定されたということなのですが)を中心に、
なにやら非常に過激な政治運動にまで発展しているところがあって
そのあたりのことになると私にも理解を超えているのだけど、

その背景にあるのは、
利益至上の価値観で平気でデータを捏造したり
潤沢にマーケティング・ロビー活動資金を使う巨大製薬会社と
その働きかけに易々と癒着してしまう研究者、政治家、FDAの実態とに
薬に対する信頼感が根底から揺らいでいるのだろうということは理解できる。

日本ではほとんど報道されないし、
それ自体が実はアメリカの現実以上に怖い面もあると思うのだけど、
実際に、薬を巡るスキャンダルには目を覆わんばかりのものがあります。

それが今回の豚インフル・ワクチンへの不信に繋がっていても、ちっとも不思議ではないけれど、
今回の抵抗が医療職から出てきているだけに、なんだか、余計に考えさせられる。

ちょっと脈絡は遠いように見えるかもしれませんが、個人的には
スポーツでのステロイド解禁説の最先鋒である Norman Fost 医師が
自分自身は頭痛薬すら極力飲まないようにしているという話を思い出した。


そうした世の中に漂う不安感に対して、
保健部局は強制接種の開始を前にした9月末に

「豚インフルエンザのワクチン接種が始まると、
接種後に心臓発作を起こして死ぬ人も出ます、
脳卒中を起こす人流産する妊婦も出るでしょう。
痙攣を起こす子どもだっています。

でも、ワクチンを打たなくてもそういうことは起こる一定の確率はあるのだから、
なんでもかんでもワクチンのせいにして大騒ぎしないように」と。



そしたら、今度は英国でも、
NHSのスタッフから豚インフルのワクチン拒否が相次いで問題になって
保健相が各NHSの責任者に現場スタッフに確実に接種させるよう指示を出している。

どうやら季節性インフルエンザのワクチンでも
もともと医療現場のスタッフの接種率は伝統的に低いらしいのですが、
今回は1割ないし2割程度しか接種するつもりがないとの調査結果もあって、

NHSスタッフの間では、ワクチンは有効ではないし副作用もある、
毒性が低いことを考えると、打たないほうがいい、という話が流布しているとの話も。

当局は、
これでは、医療スタッフから患者に感染させることになりかねない、
第一線の医療職に免疫がなければ患者が危険に晒されるんだぞ、
ワクチンはパンデミックの押さえ込みには欠かせない措置だし
一部だけが受けたのでは意味がないではないか、
第一、現場の医療職がやられて休むしかなくなれば、
押し寄せる患者にどうやって医療が対応できるというのだ……と。


Swine flue fears grow as NHS staff shun vaccine
The Guardian, October 11, 2009/10/12


同日の米国からはNY Timesのニュースで、
米国人成人の41%はワクチン接種するつもりがない、との調査結果が報告されており、

この記事では、ワクチンについての
安全でない、治験が不十分、危険な添加物、危険な保存料、の噂の1つ1つを否定して見せている。

Nothing to Fear but the Flu Itself
The NY Times, October 11, 2009


それにしても、ずっと疑問なのだけど、
英語では当初から「豚インフルエンザ」という名称が変わらず使われているのに、
日本では、いつからか「新型インフルエンザ」に統一されたけど、なんでなんだろう?
2009.10.13 / Top↑