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こちらのニュースで初めてその実態を知った時から


どうして平然とそういう事態を作れるのか、また放置できるのか、さっぱり理解できないし
背筋が凍りっぱなしの事態なのだけれども、

米国のナーシング・ホームでは
高齢者、障害者と触法精神障害者が雑居状態となっており、
無抵抗の高齢者や障害者に対する暴行、強姦、殺人まで起こっているのに
もう何年も実態調査もされず、対策も取られていない。

イリノイ州では、
先月、地元の新聞が長いシリーズを組んでこの問題を取り上げたのを受け、
州知事が7部局から成るナーシング・ホーム安全作業チームを立ち上げた。

現在、ナーシング・ホームには、
精神病院、刑務所、ホームレスのシェルターを経由して
精神障害者が送られているが、

そこに地域ベースのほかの選択肢を考える、
さらにハイリスクの精神障害者のみを対象とする施設の新設も検討する、と。

State Admits nursing home ills
The Chicago Tribune, October 9, 2009


まだマスコミが動けば、それでも行政は、やっと重い腰を上げるようだから、
ローカル・メディアのジャーナリズムの皆さん、どうか、がんばってください。

日本でも。
2009.10.15 / Top↑
先月、連邦地方裁判所が

数十年前に州立の精神病院に変わるものとして次々に出来た民営のアダルト・ホームに
NY市内の精神障害者約4300人が入れられていることについて、

実質的に入所施設であり、州による差別、米国障害者法に違反している、と判決。
10月半ばまでに改善計画を提出するよう、州に命じた。



この判決を受け、精神障害者の家族・親族らは
施設然とした環境から家族が開放されることを歓迎する一方で、

はたして彼らに独立して生活することが出来るのか、
以前、試みた自立生活で命に関わるような行動があったり、
薬を飲むことができなかったりしたエピソードを振り返っては
ただホームから地域に出されるのでは困ると、懸念も募っている。

精神障害者のアドボケイトらは
ホームから出せばいいということではなく、
supported housing 支援つき住居をいかに実現させていくかという問題、と。



詳しいことを知っているわけではないけど、
70年代くらいに精神病院から地域へというノーマライゼーションで
米国で州立の精神病院が相次いで閉鎖されたことは、

日本でも、例えば障害者自立支援法で
「精神障害者を病院から地域へ」という理念を打ち出す際などに
よく「欧米では」と引き合いに出されるのだけれど、

これ、ふたを開けてみたら、
実際は精神病院から出して民間の小規模施設に閉じ込めていただけだったという話?

地域に受け皿やサービスを先に作ることをしないで、
病院から追い出すことを先行させれば、
それは日本でも同じことが繰り返されるだけのような……。

自立支援法では、精神病院の敷地内にそれらしい施設さえ作って、
患者を敷地内で移動させればそれでいい、という話もあったみたいだし。

高齢者では、支援つき住居の整備が
ここ数年、急ピッチで進められている印象があるのだけど、
障害者の場合も、支援つき住居で支援を受けながら自立して暮らすということが
もっと、いろいろ検討されてもいいんじゃないのかなぁ……。
2009.10.15 / Top↑
仕事の関係で、”救済者兄弟”や映画「私の中のあなた」のこと
まだ、あれこれと考え続けている。

そしたら、今日、
ものすごく基本的な疑問が、ふっと頭に浮かんだ。

なんで今まで考えてみなかったんだろうと不思議なくらい、ごく基本的な疑問。

米国ではES細胞研究でヒト胚を作って廃棄することの倫理問題は
ものすごく大きな議論となって、

そのためにブッシュ政権下ではES細胞研究への公的助成が制約されていたくらいだった。
(民間の資金ではバンバンやってもOKだったところが、倫理問題としてはどうなのか、よく分からないけど)

そういう倫理観を持った国で、
”救済者兄弟”を作るために余分のヒト胚をたくさん作って、
ドナーとしての条件に合うもの以外は廃棄するということの倫理性は、
どうして黙って見過ごされてしまうのだろう。

その矛盾は、一体どういうことなのだろう?

2000年に世界で初めて作られたコロラドの救済者兄弟では
30個の胚が作られたというのだから、
29個は廃棄されたことになるのだけど……?





2009.10.15 / Top↑