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すごい。Obama大統領の医療改革案が上院の委員会を通過。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/8304375.stm

エストロゲンとプロジェストロン併用のホルモン療法では、乳がんだけでなく肺がんのリスクも上がる。:これ、A事件においても重大な情報。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2809%2961526-9/abstract?&elsca1=Vol.%20374%20Number%209697%20Oct%2010,%202009name&elsca2=email&elsca3=segment

Lancetにまたも早産に関する global burden の研究。この、burden という言葉が、私は癇に障って仕方がない。早産も障害も、みんな世界の“負担”であり、“お荷物”・“重荷”であり、“迷惑”だから、それがいかに迷惑かということを数値化して分かりやすく示してみよう……IHMEのthe Global Burden of Diseaseプロジェクトの理念とは、結局そういうもの。この早産の調査研究も、March of Dimesがやったものだけど、後ろにはシアトル子ども病院、IHME(WA大学)や、ゲイツ財団がいるに決まっている。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2809%2961762-1/fulltext?&elsca1=Vol.%20374%20Number%209697%20Oct%2010,%202009name&elsca2=email&elsca3=segment

Johns Hopkinsの助教授がWPで豚インフル・ワクチンの疑問について答えている。:問題は、こういう権威ある病院の権威ある研究者への信頼がもう崩れてしまっていることかも。私もこのブログをやりながら、なるべく偏見は持たないようにしたいと自重しているつもりだけど、時代というものの方向性とか世界で起こっていることの大きな図を考えると、真実と偏見の境がさっぱり分からなくなってしまう。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/10/13/AR2009101303171.html

アルバニアが今頃になって、カルカッタに埋葬されているマザー・テレサの遺骸を引き渡せとインドに要求、インドが蹴った。なぜか……までは読んでいない。(いつもながら補遺の記事は、ほとんどタイトルだけ、せいぜいがリード部分を流し読み程度の、ブックマーク代わりなもので)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/south_asia/8306423.stm
2009.10.14 / Top↑
Trafiguraといえば、当ブログでも以下のエントリーで追いかけてきたように、
毒性廃棄物を象牙海岸に打ち捨てて甚大な被害を引き起こした英国の悪徳石油会社ですが


この事件が現在、英国の議会で追及されています。

そこで、Trafiguraは法律事務所を使って、
国会に提出された事件の報告書の内容を報道することに対する裁判所の禁止命令をとり、
Guardianに対して口封じの圧力をかけた。

昨日の夜になって法律事務所から連絡を受けたGuardianは
当日の今日、議員による質問の内容を報道することができなかったのだけれど、
(おそらく他のメディアも事情は同じだったのでしょう)

なんと、すばらしい、インターネット時代。
SNSやTwitterの利用者が議会での質問内容を次々とアップするうち
Private Eyeというネット雑誌と名の知れたブログ2つが全文掲載。

Guardianが他の全国紙と一緒に対応を検討していたお昼には
法律事務所もメディアへの口封じを諦めたようです。

しかし、今回のTrafigura側の行動には
当の質問をした議員から、議会侮辱罪にあたるのではないか、との指摘も出ている。

裁判になった案件で民間企業がその事件に関する事実を伏せておこうとして
禁止命令をとるという例がこのところ増えており、
それは大手企業を利することになるだけで、
言論の自由の封殺、社会の番犬としてのジャーナリズムの機能封殺に繋がるので
裁判所はこうした命令に対してもっと慎重になるべきだ、との批判が出ている。



おー、おー、なんとも、えげつないこと。

しかし、悪徳企業が隠蔽しようとした情報を
SNS、Twitter、ブログといった一般市民のツールが次々と伝えていったという下りには、
思わず血沸き肉踊りコーフン、頭の中に雄雄しいマーチが鳴り響くかのようでした。

日本でも、ある主の情報は報道されないことになっているようでもあり、
日本のメディアには、もはや社会の番犬としてのジャーナリズムの機能は
期待できないのかもしれないと思うことは多いし、

Ashley事件の背景を考えると、
米国のメディアは、もっと恐ろしい力の影響下にあるらしいという気がするし、

そういうことを考えると、
時に絶望的な気分にも陥りそうになりますが、
この英国のニュースには、ちょっと希望を感じさせてもらいました。

人が真実を知ろうとする限り、
真実は、いずれ必ず明らかになるもの――。

Ashley事件の真実も、いつか必ず──。

私はずっとそう信じてきたし、
これからも、できる限り、そう信じ続けたいと願っている。
2009.10.14 / Top↑
英国で終末期医療のクリニカル・パスとして作られ日本でも翻訳されている
Liverpool Care Pathway(LCP)が機械的に適用されて
ただ手間をかけずに患者を死なせていくためのプロトコルと成り下がっていると
現場医師らからメディアへの告発があったことを、
つい先日、こちらのエントリーで紹介したばかりですが、



このような現場の思考停止状態の犠牲者がついに出ました。

Jack Jonesさん76歳。
癌が再発しているので、もう打てる手はないと医師に告げられ、ホスピスに入った。

ところが、家族によると、
食べ物と水分を与えられず、出てきたのは鎮痛剤だけだった。

Jonesさんは2週間後の1月14日に死亡。
死後になって、実は癌の再発ではなく、肺炎だったことが判明した。
適切な治療を受けていれば命を落とすことはなかったのだ。

未亡人は夫の受けた治療を「野蛮」、医師による殺人だと批判。
訴訟を起こし、病院は未亡人と和解し18000ポンドの慰謝料を支払った。

が、病院側弁護士はライアビリティを否定。
ただ裁判に持ち込むと多額のお金がかかるので、和解しただけだ、と。

病院側はJonesさんにLCPが適応されていたわけではないとしているものの、
LCPを採用している病院であることから
患者一人ひとりを丁寧にケアする姿勢が失われて、
患者を機械的に分類し、その分類が一人歩きしているのではないかと
LCPの適用姿勢への疑問が大きくなっている。



これは、自殺幇助議論がかまびすしい英国からのニュースなので
一応「尊厳死」の書庫に入れることにしましたが、

実際には「終末期医療」とか「尊厳死」の問題というよりも英国版「無益な治療」という感じ。

……というよりも、
「尊厳死」の問題が、ものすごい速度で「無益な治療」概念に近づいていっている。
もう、ほとんど重なりかけている、という気がする。
2009.10.14 / Top↑
ネブラスカ州 Lincoln の地味なローカルニュースですが、
先日来、時々、目に付いていた事件。

28歳の男性が22歳のルームメイトの自殺を幇助したと
自分で友人にぺらぺらしゃべって、
それで逮捕された、という事件。

当初、自殺幇助の容疑で逮捕されたのですが、

今日、出てきた続報で、
検察は当初予定していた自殺幇助の容疑をランクアップさせて
第2級殺人で起訴することに決めた模様。

20年の懲役から終身刑の対象。

裁判の記録によると、
Dallas HustonはルームメイトのJohnsonさんの身体を毛布でくるんで
顔にポリラップをかぶせた。

Johnsonさんが息をしようとラップを取り外したので、
Hustonは枕で窒息させた、とのこと。


それでも、今日のニュースタイトルは
「自殺幇助事件で……」となっているのが、すごく不思議。

そもそも、ターミナルで耐えがたい苦痛がある人が死にたいと望んだ場合に
一定期間を置いて複数の医師が慎重に判断したのちに、
医師が毒物を処方しても良いかどうか、という「自殺幇助」が議論されているはずだったのに、

「ルームメイトが死にたがっていたから手伝って殺してあげた」という事件に対してまで、
「自殺幇助」という言葉でくくられて、どんどん社会の垣根が低くなっていくような気がする。

そして、いつものように、
「死の自己決定権」の“すべり坂”はここにこういう形で既に起きているじゃないか、と思う。






【11月28日追記】

Hustonは裁判で無罪を主張したようです。

2009.10.14 / Top↑