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今日のニュースはモンタナだらけ。明日、審問(っていうのでいいのかな)。今からこの件に関して何か新しいことが来てても、もう今夜は読まない。読むとしたら明日……と自分に言い聞かせる。
http://edition.cnn.com/2009/US/09/01/montana.right.to.die/

英国で、最も着床率が高い卵子を選ぶ検査による初めての赤ちゃんが誕生。不妊の人に希望。Oliverくん。the best egg というのを見た時には、別のことが頭に浮かんだけど。
http://www.timesonline.co.uk/tol/life_and_style/health/article6817618.ece?&EMC-Bltn=HGJEBB

オーストラリアで一番酷い給料もらっているのは年齢の行った介護職なんだと。その95%が女性。:女性差別と介護者差別は一体。プロフェッショナルでも家族介護でも。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/162462.php

WHOが「20年のうちに、世界で一番患者の多い病気はうつ病になる」と。しかも「うつ病が経済的にも社会的にも最もコストのかかる病気になるだろう」とも。:もしかして、次に切り捨て対象になるのは、うつ病患者という予告? WHOって、ゲイツ財団と大の仲良しなんだよ。確か前の事務局長だったかがIHMEの理事に入っていたんじゃなかったっけ。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8230549.stm
2009.09.02 / Top↑
昨日、重症障害ある娘に健康保険証兼ドナーカードって……?のエントリーで
成年後見人には権限がないらしいという話を曖昧な伝聞として書いたのですが、
この点について確認しました。

やはり、
臓器提供は一身専属事項に当たるので
成年後見人には権限がありませんでした。

こちらのサイトから成年後見人について書かれた部分を以下に。

精神上の障害により常態として判断能力を欠く者を対象とし、成年後見人は広範囲な代理権と取消権を有します。しかし、日常生活に関する行為に関しては取消ができないことや遺言・婚姻などの身分行為、治療行為などの事実行為に関する同意といった一身専属的な事項については同意・取消はできません。

一身専属的事項というのは
要するに、その人にしか決めることが出来ない事柄。

娘の臓器提供に関する成年後見人である父親の権限のなさについては
これで氷解・納得したのですが、今度は別の疑問がワラワラと沸いてきた。

①じゃぁ、自分で意思決定できにくい人の臓器移植については誰がどう決めるの?
新法でも、ちゃんとしたセーフガードを設けてくれなければ困るのだけど?

②臓器提供が法的に一身専属事項だというなら、
それは知的障害者等だけのことではなのだから、
A案だって、そもそも法的に、ありえなかったはずじゃないんだろうか――?

③ これを当てはめて考えると、いま欧米で主張されている「死の自己決定権」は
 「いつ、どのように死ぬかは一身専属事項である」という主張だということになる?

 (そういえば、前にアベコベ」のエントリーで「それは逆でしょう」と書いたことがある)

④でも、それなら逆に、Ashley事件ほかで散々聞いた
「子どもの医療に関する親の決定権はプライバシー権の範囲」という主張は
成立しないはずだということにならない?

⑤ある意味、「一身専属事項」とは「日本版プライバシー権」と理解してもいいのか?
 そう単純に考えていはいけないのか? 

⑥ 障害のために自分で決めることができない人の医療に関する意思決定の問題は
 臓器移植以外にもいっぱいあって、むしろそちらの方が切実な問題のはず。

 成年後見人が何の権限も持たないとしたら、そういう人の医療の意思決定には
日本では、どういう理念とか手順とかセーフガードが合意されているのか?

まさか、未だにパターナリズム一辺倒ということはないと思うのだけど、
今は、どういうふうに決められているのだろう?

なんとなく、家族の同意──?

でも、成年後見人は同意も取り消しも出来ない(なんで拒否がここにないのだろう?)けど、
家族なら決めてもいいことになるというのも、筋が通っているようで
よく考えたら、ちっとも通っていないこと、ない──?

そして、目下、一番気にかかっているのは
親も身寄りもない知的障害者の医療決定は──?

よもや、ルールなんてなくて、ルールの必要性すら言われていない……なんてことは?

なにしろ、知的障害児・者への医療は
本人が症状を訴えるすべを持たなかったり、医療サイドに強い偏見があったりして、

親がしっかり側に付いて必死の思いで本人のために闘ったとしても、
おざなりにされる傾向があるのだから、
(私の個人的体験も含め、詳細は、以下のリンクに)

親亡き後の彼らの医療決定については
たまたま偏見に満ちた医師だったから無用に苦しまされたとか、
死ななくてもいい病気で死んでしまったということがないように、

ちゃんと信頼できるガイドラインがほしい。



【追記 9月3日】

これを書いた直後に、認知症の専門医が同じ問題を取り上げておられる雑誌記事を見つけたので、
追加エントリーを書きました。


2009.09.02 / Top↑
先日、某所で、
メンタルヘルス総合研究所の代表、久保田浩也氏のお話を聞く機会があった。

久保田氏の論旨は

年間の自殺者が3万人を超えているのが問題だといわれ続けて11年間、
自殺者がちっとも減らないのは、対処する方法が間違っているからだ。

こういう話をすると、すぐに科学的なエビデンスがない話をするなと批判されるが
ではSSRIなど科学的に開発されたはずの薬が問題を起こしているのは、どういうことか。

ストレスがいけないと言われるが、
それでは人類の歴史にストレスがなかった時代などあっただろうか。

いけないのはストレスそのものではなく、
ストレスを受け止める力が低下していることなのであり、

必要なのは、知育・体育だけでなく、心を育てる心育である……と説き、
氏の考案による「心の体操」なるものを推奨する。

(「心の体操」の具体については企業秘密みたいで無料では明かせないようだった)

その中の、SSRIが問題を起こしているという文脈で

ルボックスという薬があります。

ソルベイ社というところが売り出したものですが、
例のコロンバイン高校での銃乱射事件の際に
犯人の1人が服用していたことが問題視されて、
米国では2002年に販売中止になりました。

そういう薬です。

そのルボックスが今、日本で公然と売られているんですよ。

どういうことですか、これは?

まったく、それは、どういうことか……と思ったので、
家に帰ってからWikipedia のLuvoxの項目を読んでみた。

Wikipediaの説明によると、
確かに久保田氏の話の通りのいきさつで米国の市場から引き上げられている。

ただ、FDAが販売中止を命じたということではなく
2002年にソルベイ社が自発的に市場から引き上げた。

しかも、その理由は
FDAの認可以前の臨床実験フェーズ3段階で
被験者が起こした殺人事件が少なくとも1件あることがバレて
さらなる調査が入るのを恐れたため。

2005年に日本で初の対人不安障害の治療薬として認可されたとも書かれており、

確かにこの段階では
米国で副作用懸念から売られていなかったルボックスが日本で認可されたことになります。

その後2007年にソルベイ社が再び米国でルボックスを売り出し、
その後、2008年には組成を変えたルボックスCRがFDAに認可されていますが、

どうも、この解説からは、
売られているのは米国と日本だけの様子。

これは、まったく、どういうことか──?

ちなみに、日本の医薬品監視機関・薬害オンブズパーソンのサイトに
ルボックス等SSRIに対するソルベイ等回答というページがありました。

なお、厚労省は今年6月にSSRIの副作用の危険性を認め、
こちらのような安全情報を通知しています。

   ―――――――――――――――――

もう1つ、
例えばこちらのエントリーなど
当ブログでも何度か疑問に思ったことが確認されたので、そちらの話も。

南江堂から出ている「ドクターズルール425」という翻訳書の中で
以下のように書かれている、とのこと。

4種類以上の薬を飲んでいる患者についての比較対象試験はこれまで行われたことはなく、3種類の薬を飲んでいる患者についての試験もほんのわずかしか行われていない。4種類以上の薬を飲んでいる患者は医学の知識を超えた領域にいるのである。

ほらね。

何でもかんでも薬で解決、
病気予防にまで、あれもこれも薬を追加して、みんなに飲ませましょうという
英米の研究者は、ものすごく無責任なことをやっているわけですね。

英米・オーストラリアでは
これさえ飲んでいれば肥満は解消……とヤセ薬までが解禁されて、
何万人という人が飲んだ後になってl副作用が報告されてきたばかり。

あ、そうそう久保田氏はもう1つ指摘しておられました。


この「ドクターズルール」を翻訳した福井先生というのは聖路加病院の院長で、
他にもあれこれ医学会で重要なポストを占めている(具体的なポスト名はメモ漏れ)のだから
自分が訳したのなら、これを日本の医学会に徹底することだって
やろうと思えばできそうなものなのに、

日本の精神科医が患者に5種類も6種類も薬を飲ませる実態は放置されている。

これは、みなさん、いったい、どういうことですか──?


それどころか、世界中の研究者らが、
ありとあらゆる病気の予防薬を研究開発しては、
「この薬、みんなに飲ませよう」リストをせっせと追加し続けている。

4種類以上の薬を飲んでいる患者の比較対象研究を行う必要は言わないまま――。
2009.09.02 / Top↑