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ALS患者会の川口有美子さんの「意思伝達不可能は人を死なせる理由になるのか」。「福祉労働」6月号。“違法性なく死なせられるかという議論の前に「伝えたくない人」との信頼を築くための介護技術と支援を確立しなければならない。”
http://www.arsvi.com/2000/0906ky04.htm

アルツハイマー病の患者の脳に手術で遺伝子を埋め込み、記憶障害を改善しようという歴史的な遺伝子治療のフェーズ2の治験にボランティアを募集中。ジョージタウン大学の研究。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/164972.php

英国の看護師・助産師委員会が、DPPから出たガイドラインが出ても、看護師の仕事がこれまでと変わるわけではない、看護師の行動は各自が職務規定と倫理規定により、説明責任を負っている、看護師が患者の自殺幇助をしたら犯罪、と念押し。
http://www.healthcarerepublic.com/news/940923/Nurses-warned-assisted-suicide-guidelines/

介護におけるリスク・アセスメントとマネジメントがもっと十分に行われる必要がある。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/164998.php

英語の作文試験の採点をAIロボットにやらせようという話。信じがたいけど、国際的な学力判定試験で導入しようとしている人たちがいるんだと。:アホな。トランスヒューマニストたちもさすがに文学については触れないなと思っていたのに。文章ってな文法と論理だけじゃない。ロボットが文体なんて、どうやって味わえるというんだよっ。インターネットにA.L.I.C.E.って、会話の相手をしてくれる人工知能があって、ずっと昔、学生に英会話の練習してみたらって勧めてた時期があったけど、すぐにチンプンカンプンになって会話にならない。その程度のA.I.に、どうして作文の評価が出来るというんだ?
http://www.guardian.co.uk/education/2009/sep/25/robots-to-mark-english-essays

現在、安全性に問題が指摘されて認可の見直し過程にある膝の怪我の治療用パッドについて、去年の認可に向けてニュージャージーの政治家3人と、コミッショナーから強力な圧力がかかったとFDAが明かした。
http://www.nytimes.com/2009/09/25/health/policy/25knee.html?_r=2&th&emc=th

昨日メディアが大騒ぎしていたエイズのワクチンでの成功というのは、初めての肯定的な成果とはいえ、どうやら統計的にはほとんど意味を成さない程度の違いがあったということらしい。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/09/24/AR2009092400183.html
2009.09.25 / Top↑
1918年のインフルエンザの大流行では
世界中で5000万人が死んだとされているが、

万が一、新型インフルのウィルスが変異して悪性化し、
当時に匹敵するような世界的な大流行となった場合に、
家族の希望に関わらず人工呼吸器を取り外す患者の基準づくりが
米国の関係者の間で進んでいる。

たたき台に使われているのは
2年前にNYの関係者らが発表し、現在、決定版を作るための検討過程にある
「ニューヨーク・プロトコル」と呼ばれるトリアージ・ガイドライン。

NYプロトコルの作成過程では
1918年次のパンデミックの教訓を元にシミュレーションをしたところ、
まず呼吸器が圧倒的に不足することが分かったため、

プロトコルでは対策の1つとして、
パンデミックの間、緊急度の低い手術を禁止して呼吸器を確保する。

次にNYでは1200台の呼吸器を追加購入して、
中等度の流行には対処できるだけの数を確保した。

その次の、さらに本格的大流行が起きた場合の第3の策として、
呼吸器の配給制度を定めているもの。

腎臓障害、転移して予後の悪い癌、死に至る可能性のある「重症で不可逆的な神経障害」など
慢性的な重病のある人たちから家族の意向に関わりなく呼吸器を引き上げるとしており、

患者本人や家族の同意なしには呼吸器をとりはずすことを禁じた州法への
法的な対応策が現在、検討されている。

また、担当患者を巡って医師らからの綱引きや圧力を想定して、
患者選別の担当者は極秘とされることもNYプロトコルには含まれている。

2007年に発表された際には、
今後、広く一般や高齢者、障害者、有色人種の地域住民、子どもを持つ人などから
意見を聞いて最終的なヴァージョンを作ると言われていたが、
こうした人たちの利益は生命倫理学者が十分考慮しているというだけで
直接的な意見聴取はほとんど行われていない。

また、カナダのオンタリオの保健医療当局が2006年に開発したプロトコルもあり、
こちらは集中治療室に送る患者の優先順位をつけるために
臓器の機能の量的アセスメント・ツール、
The Sequential Organ Failure Assessment (SOFA)スコアを考案している。

生存率を予測できるものではなく、また子どもでの利用はまだ未調査だが、
今回NY プロトコルを元に基準を作っている米国の専門家は
他にトリアージの基準がないことから、SOFAに注目している。

これら専門家の会議は非公開。

州によっては、災害時の医療に関して医療関係者を免責する法律を作っている州も
ルイジアナ、インディアナ他、何州かあり、

コロラド州他では、これらの問題に対処するための
特別命令(executive order)も用意されている。

災害時、緊急時のトリアージには批判が起こりにくいが、
近く災害時の医療に関する著書を上梓する予定の
カリフォルニア大学Irvine校のDr. Carl Schultzは
こんなプロトコルは政府にとっても企業にとっても
医療の質を上げる必要から開放してくれるのだから、
金銭的にも運営上もメリットが大きい、と批判的。

医療のスタンダードを下げることの問題は、
どこで止まるか、どこまで下げるのか、ということ。
これ以上、災害対応に資源をつぎ込みたくなければ、下げ続ければいいことになる」と。

木曜日の朝、米国保健省の依頼を受けたthe Institute of Medicineから
報告書が出される予定とのこと。



9月24日付で刊行されたthe Institute of Medicineの報告書は以下。
有料冊子のようです。

2009.09.25 / Top↑
20年間、緩和ケアをやってきたという専門医が
Timesで、DPPのガイドラインへの強い懸念を書いている。

2年ほど前、癌を告知されたばかりで激しい痛みのある女性から
殺してくれと迫られた日のことを思うと、今でも身震いするという。

それほど「殺してくれないなら、どんなことをしてでも死んでやる」と迫る
女性の感情は激しかった。

しかし、その後、痛みをコントロールできると、
その女性はあちこちへ出歩き、人と会うことに喜びを見出し、
気持ちのアップダウンを繰り返しつつも生きようとするようになった。
そして、死の恐怖を潜り抜けて、より深いところへ到達した。

そして「先生が私よりも頑固だったから、私たちはここまで来たのですね」と。

(ここで、患者さんが we と言っていることの重みを考えたい、と私は思う)

共感とは、この医師に言わせれば死なせることではなく
「ともに荷を背負い、苦しみを共にすること、
その道をともに歩むことであり、苦しみを目撃する重荷を引き受けること」。

それは病気や障害を負った人だけではなく、
誰にとっても、人である以上、苦しむだけでなく希望も持てるということなのだから。
命は簡単に脱ぎ捨てられる衣服以上のものなのだから。

たとえ本人がそれを最善の利益だと考えたとしても誰かを殺すことに加担するのは間違いだと
明確に定めた法律がセーフガードになってこそ患者も医師も守られて、
このような緩和ケアが実現できるのであり、

今回のガイドラインで
一定の条件さえ満たせば自殺幇助が罪に問われないとされてしまえば、
本当なら見出せるはずの希望にたどり着くまもなく、
死を急ぐ人たちが出てきてしまう。

このガイドラインはセーフガードを危うくするものである。



2番目にこの記事に寄せられたコメントが鋭くて、
この素晴らしい記事が、どうして健康欄に隠しこまれているの?

今回のガイドラインをめぐる報道を見ていると、
明らかに英国のメディアは偏向している──。



2009.09.25 / Top↑