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スウェーデンの研究で認知症患者が介護される際に身体を突っ張るのは、これまで思われてきたように用具の不都合とか身体の重みがかかるためではなくて、自分の意思がうまく伝わらなかったり、誤解されたと感じているサイン。:ああ、ありそうなことだ……と思うと同時に、そんなことすら専門家がデータで出してからでないと気がつけないような介護って、なに? と腹立たしい。それとも、よくあるように、いわゆる研究者って、介護職の人たちは何も知らないと思い込みがちなだけで、そういうこと、案外に介護現場の人たちは、とっくに分かっているんじゃないのかな。あ、分かっていない無神経な介護のプロも中にはいるから話がややこしいんだけど。でも、この問題、認知症の人や知的障害者の痛みが医療で見過ごされていることに通じていくと思うから、こういうデータで目を向けてもらえるのは悪いことではない。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/163967.php

ちょっと前から話題になっている、これまでより安全で結果信頼性の高い新しいダウン症の出生前検査に関する議論の必要を説いた論文。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/163976.php

イタリア沖で有毒廃棄物を積載した船をマフィアが爆破・沈没させた。警察の捜査を免れるため。:このブログでも取り上げた、あの「象牙海岸の悲惨」のように、先進国の有害廃棄物をアフリカなどの貧困地域に捨てに行く仕事を、なるほどマフィアが請け負っているというわけなのか……。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/8257912.stm

12月の国連の地球温暖化対策で合意ができなければ、飢餓が悪化し“グローバル・ヘルスの危機”。18の国際機関が、世界中の医師らに温暖化対策を主導せよ、と、グローバル・ヘルスだから、やっぱり、これはLancetに。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/8257766.stm

世界銀行が先進国は温暖化対策費を増額し、これまでのガス排出の責任を取るべき、と。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/8256961.stm

「米国ではこうなのに…」と、ことあるごとに日本で引き合いに出される薬の承認スピードが速い象徴みたいな国アメリカで、FDAの癌治療薬部門のトップが、実験段階の抗がん剤の承認スピードが遅い、お役所仕事だと非難され、“人殺し”呼ばわりまでされる事態となっている。
http://www.nytimes.com/2009/09/16/health/policy/16cancer.html?_r=1&th&emc=th

英国。去年、3人の男性教師が女子生徒と性的関係を持ったことを認めた同じ1つの中学校で、武道クラブの指導者についで教室監督者も女子生徒との関係を認めた。1つの中学で計5人も、というスキャンダル。
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/uk/education/article6836142.ece?&EMC-Bltn=9AQGEB

英国の保守党議員から、生活保護は働こうというインセンティブにならないから、制度を見直して、50万世帯以上から受給資格を剥奪して、仕事を探してもらう方向に誘導しようという案が出ているらしい。:(背景の知識を欠いている上に最初の部分だけしか呼んでいないので、ちょっと自信がない。読み間違っているかも)コイズミ時代に、こういう理屈、よく聞いたような気がするなぁ……と思って。あれから何でも「自立支援」になった。
http://www.guardian.co.uk/politics/2009/sep/15/iain-duncan-smith-welfare-reform
2009.09.16 / Top↑
米国の医療改革から、
科学とテクノによる予防医学は医療費を本当に削減するのかという疑問を考えていたところ、

数日前のローカル・ニュースにひょっこり「予防歯科」の話が登場した。

それが、まるで自分からダマシの手口を曝け出してしまう詐欺師みたいな
なんとも真っ正直な話の組み立て方だった。

大体、こんな流れ。

いつのまにか世の中に歯科医が増えて、
今では町の歯科医院の数はコンビニと同じ。

その過当競争に生き残るために、
治療と無関係な付加価値サービスで差別化を図る医院が出てきている。

しかし、ここにきて注目されているのが予防歯科。
予防歯科には医療費削減のメリットもあるといわれている。

みんなが予防歯科を受けるようになったら、
今は余っている歯科医も全員必要となるそうだ。

みんな、これを機に近所の歯医者さんへ。

あははっ。

これでは、
実際は歯科医の生き残り策としての予防歯科プロモーションだと、バレてしまう。

普通は、こういう話がホンネを覆い隠して
「予防医療には、ほら、エビデンスがこんなに」という流れに化けているものだけど、

珍しく真っ正直な話の組み立て方だったので、
ついでに、次のような素朴な疑問が頭に浮かんだ。

それ、今は必要以上にたくさんの歯医者さんがいる、ということだよね。

そして、みんなが予防で歯科にかかれば、
余っている歯医者さんが生き残れる……ということは、

裏返せば、それ、
予防歯科の医療費の増加分が余剰歯科医の生き残り費用に回るんだよね。

で、どうして予防歯科が医療費の削減になるんだろう──?


それで、さらに、そこから考えたこと。

予防歯科の予防効果エビデンスを出してくる研究というのは、
直線的な時系列でのフォローをして、
予防しない場合よりも予防した方が虫歯や入れ歯になる“確率”が低かった、とか
予防しない場合よりも予防した方がそうなるのが"遅かった"、
というデータの取り方で「予防効果がある」という話なので、

実は、そこでは「人は虫歯や入れ歯になる」ことは前提として予め織り込まれている。

だって、どんなに歯磨きを上手にして定期的に歯石をとっていても、
歳をとれば歯茎は痩せるし、歯の質だって悪くなるのだから、
予防を完璧にしたから一度も虫歯にならずに終わる人なんか、いない。たぶん。

だから、「人はもちろん虫歯や入れ歯になる」と織り込んだ上で
予防しないことに比べて確率が下がれば、または発症を遅らせることができれば
予防効果があるとされるのが、予防効果のエビデンス。

だけど、
個々の患者レベルでの時系列での確率の低下や遅れのエビデンスが
果たして、そのままマスとしての医療費削減効果のエビデンスだと言えるんだろうか。

私のイメージだと、マスとしての医療費は
時系列の直線ではなくて、むしろ円の全体という感じなのですが、

円に帯を重ねたときに上下に出っ張りがはみ出すように、

直線・時系列の予防効果エビデンスを根拠に
予防医療には円全体のマスとしての医療費削減効果があると主張するのは
先に織り込まれつつ確率の外側にあった「人は虫歯・入れ歯になるものだ」という事実が
取り残されているような気がする。

病気になることを織り込んだ上でのエビデンスを用いながら、
病気になることを織り込まない話に摩り替わっているような……。

簡単に言えば、

いくら予防して確率を下げたり遅らせたりしても、
歳をとっていけば、いつか病気にはなる。

予防のエビデンスは、その前の部分だけで話が成り立つけど、
マスとしての医療費は、後ろの部分も拾うのだから、
それを拾った上で、さらに予防にかかる医療費分もちゃんと加えて
それで差し引き計算しないと話の筋が通らないことない?

……という、とっても素朴な疑問。
これ、素人の勘違いなのかな。

まぁ、でもね、

本当の医療費削減効果は、予防歯科とか予防医療になくても、
もっと違うところにあるのかもしれない。

こんなふうにニュースキャスターが
「医療費削減効果もあるそうです」と一言さりげなく付け加えるようなことが
日常的にあちこちで繰り返されていけば

私たちの頭の中には
「医療費は削減しないといけない」というメッセージがその都度インプットされて
私たちは無意識のうちに身の周りの目に見えやすいところで
医療費の無駄や医療費を高騰させている犯人を探し始める。

私たちがいるところから見える、わかりやすい範囲で、ね。


 
2009.09.16 / Top↑
さっき、人に教えてもらったばかりなのですが、
昨日のエントリーで触れた映画「私の中のあなた」に
日本臓器移植ネットワークと骨髄移植推進財団がタイアップしています。

映画の公式HPはこちら。
http://watashino.gaga.ne.jp/

ここの「最新情報」をクリックすると、
映画の最新情報など出てこなくて、出てくるのは以下のメッセージ。

日本臓器移植ネットワークは「私の中のあなた」とタイアップしています。

あなたの意思で救える命があります。
臓器提供の意思表示にご協力を!

財団法人日本臓器移植ネットワーク

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骨髄バンクは「私の中のあなた」とタイアップしています。

財団法人骨髄移植推進財団
登録をお考えの方はこちらへ

映画の公式サイトで「最新情報」をクリックしたら、これが開くんですよ。
なんで、これが「最新情報」なんだ?

それに、いったい、これは、どういうメッセージなのか。

まさか、日本臓器移植ネットワークと骨髄移植推進財団は
病気の子どもを救うために臓器目的のデザイナー・ベビーを作ることを是認するとでも?

タイアップするというのなら、
この映画に描かれている“救済者兄弟”の存在について
自分たちのスタンスを、まず明確にするべきではないのでしょうか。


もう一度声を大にして言いたい。

この物語は、単に「病気の子どもを支えあう美しい家族愛」の物語ではありません。

この映画の原作となった小説のテーマは
病気の子どもを救うために臓器目的で作られるデザイナー・ベビーの倫理性・人権です。

そして“兄弟の臓器庫”として生まれてくる“救済者兄弟”が
私たち日本人にとって、どんなに非現実的・荒唐無稽な話に思えるとしても、
これは決して小説や映画の中の作り話ではありません。

米国では現実に無規制で行われているだけでなく、
当ブログの知る限り少なくとも英国・スウェーデンでは合法化されてもいます。

法律的な背景は不明ですがスペインでも生まれています。

当ブログの知る限りの事実関係をこちらのエントリーにまとめました。
”国際水準の移植医療”の最先端で起こっていることの1つ、”救済者兄弟”の実情をぜひ知ってください。


倫理問題が指摘されていながら、
それでも世界中で着実に広がっている“救済者兄弟”の実態が
なぜ日本では広く知らされないのか。

そんな実態を知らさないまま、なぜ、
この物語が本当に問いかけている”子どもの人権”という問題が
「病気の人に臓器を」と”愛の贈り物”の話に摩り替えられてしまうのか。

先の臓器移植法改正議論と同じマヤカシがここでも起こっている──。

まさか、またしても
「ここまでするのが国際水準の移植医療。日本は遅れている」とのメッセージ?
2009.09.16 / Top↑